久米靖

2021.04.18

美術展探訪② 『あやしい絵』展

みなさん、おはようございます!
Cast Power Next所属の久米靖です。

東京国立近代美術館で開催されている『あやしい絵』展を観に行きました。

幕末から昭和初期に制作された様々なジャンルの絵から、退廃的、妖艶、神秘的、あるいはグロテスクとも言えるものを取り上げた展覧会です。

西洋の影響を受けた生々しく迫真的な表現や、古くから伝わる伝承や説話・浮世絵などから自由に空想を膨らませて、人物の心情や内面の表現を重視する風潮が生まれたそうなのです。

近代という激動の時代を生きる不安やストレスを解消するために人々が求めた刺激の一つとして、新聞や雑誌の挿絵の「あやしい」表現がその欲求に応えたのですね。

こういう展覧会が国立美術館で開催されること自体、スゴいなと思いました。

平日に行ったのですが、かなり混み合っていました。
コロナ禍の現在、私たちも大きなストレスを抱え、同じような刺激を求めているのかもしれませんね。

展覧会は、下記5つの章で構成されていました。

1章:激動の時代を生き抜くためのパワーをもとめて(幕末~明治)

2章:花開く個性とうずまく欲望のあらわれ(明治~大正)
1.愛そして苦悩 
2.神話への憧れ
3.異界との境で
4.表面的な「美」への抵抗
5.一途と狂気

3章:社会は変われども、人の心は変わらず(大正末~昭和)

印象的だったのは、女性を描いた絵が圧倒的に多かったこと。

「安珍と清姫」をはじめ、恋ゆえに狂気に身をやつす物語は美しくも鮮烈でした。

内面の狂気を表現できるような役者になりたいものですね。

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