久米靖
2021.07.29
二十四節気と昔話③ 大暑・『月と日と雷の旅立ち』
みなさん、おはようございます!
Cast Power Next所属の久米靖です。
二十四節気と昔話、3回目は、「大暑」(7月22日~8月6日)。
「大暑」は一年で梅雨明け後の最も暑さが厳しくなる時期で、本格的な夏の到来です。
オリンピック選手からも、暑さに閉口するコメントが寄せられていますね。
夏バテ防止にうなぎを食べる「土用の丑の日」もこの頃です。
さて、この「大暑」の時期が舞台となっている昔話の一つが『月と日と雷の旅立ち』です。
■『月と日と雷の旅立ち』
むかしむかし、「お日さま」「お月さま」「雷さま」が、三人そろってお伊勢参りの旅をすることになった。
ところが雷さまは気が荒く、行くところ行くところで背中の太鼓を打ち鳴らし、雷を落としながらあばれ回る。
どこの町へ行っても、
「雷さまがきたぞー」
「へそをかくせー」
と、みんなに怖がられてしまう。
ある町に着いて、三人は宿に入った。
たらふくお酒を飲んで酔っ払った雷さまはまたまたあばれ回り、ピカッと光ると町はずれの大きな木を「バリバリッ、メリメリッ」と倒してしまった。
お月さまとお日さまは、相談した。
「もう、雷さまには我慢できん。明日からは二人で旅をしよう」
次の日、二人は雷さまを置いて、朝早く宿を立って行った。
一方の雷さまは、あたりがもうとっくに明るくなってから目を覚ました。
お月さまとお日さまがいないので、宿の主人を呼んだ。
「お日さまとお月さまはどうした?」
「はい、お月さまもお日さまも、だいぶ前にお立ちになりました」
それを聞いた雷さま、
「そうか、うーん。月日の立つのは早いもんだ」
宿の主人はおそるおそる尋ねた。
「あなたさまは、いつお立ちになりますか?」
すると雷さまはすましてこう言った。
「わしは雷だから、夕立ちだ」
とても洒落の利いた、今の季節らしい昔話ですよね。
最近は天気が不安定ですが、みなさまもゲリラ豪雨などにはご注意ください。
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